【ウイスキー】『おじいちゃんとお酒』

リンゴとおじいちゃんとウイスキー

明治40年、5人兄姉の末っ子に生まれた祖父は、勉強や本が好きな人。
大人になってからはリンゴ農家として、なんと85歳まで現役!

両親の仕事の都合で中2からの同居でしたが、それまでも、夏休みと冬休みはいつも祖父の家に帰っていたので、祖父との思い出はたくさんあります。

家の目の前、庭に位置する場所にあるリンゴ畑は、その広さ1町歩(約3,000坪)。
リンゴの木は約300本、ほかには桃、洋梨、和梨、葡萄、柿、栗の木もありました。

朝早くから畑に出て、お昼前に仕事を終え、天気や仕事の進み具合で、午後は休み。

そんな日には夕方から、大好きなウイスキーの水割りを愉しんでいました。

お酒はなんでも好きな祖父でしたが、私の記憶にある中で祖父が好きだったのは「ニッカウイスキー ブラックニッカ」。
茄子の浅漬けやホヤの水物、イカの塩辛と飲むのは定番。
カド(ニシン)の煮つけやタコの刺身、ミズという山菜の酢味噌和えなど、青森ならではのおかずをつまみに飲んでいる祖父は幸せそうでした。

そのほとんどは、娘である母の手作り。
フルタイムで働いて忙しいのに、頑張り屋の母ならではです。

おじいちゃんの誕生日

祖父の誕生日は10月9日。
貯めていたお小遣いから、妹と一緒に、ウイスキーに合いそうなグラスを選んでプレゼントすることが多かったです。

カットの入ったクリスタル風のものは、キレイだなと思うとそれなりに高いロックグラス。
子どもが買える値段のグラスは少なくて、限られた中から選んでいました。
誕生日おめでとうのカードや手紙を添えて渡すと、優しい祖父は目を細めて喜んでくれ、嬉しそうにウイスキーを飲んでいました。

おじいちゃんとビール

夏休みのある日。
私と妹はお出かけ用のお揃いのワンピース、祖父は背広で、家族全員で百貨店へ買い物へ行き、大食堂(レストラン)へ。

そこでのソフトクリームが、とても楽しみでした。

百貨店 大食堂のソフトクリームは、ソフトクリームスタンドにささっています。
手で持って食べるものとはまるで違うもののように感じて、特別感がありました。

今のようにコンビニやファーストフードなんてない時代です。
家族で百貨店へ行くこと、そして大食堂で食事することは、ワクワクするイベントでした。
その気持ちはきっと、祖父も同じだったでしょう。

家では瓶ビールをビアタンブラーで飲んでいる祖父が、ジョッキに注がれたビールが運ばれてきて、ニコニコしながらグイっとひと口おいしそうに飲んでいる笑顔は、今でもよく覚えています。

おじいちゃんと日本酒

どんなお酒でも好きな祖父のお気に入りの清酒は、「松緑」という弘前の地酒。
祖父は信仰心が厚く、20年近く神社の総代を務め、お彼岸、お盆、お祭りなどには、「松緑」の一升瓶や酒樽を奉納していました。

旅行も好きだった祖父の写真には、ビアタンブラーやお猪口でお酒を飲んでいる、楽しそうな祖父の姿が。

お酒に飲まれることはなく、気持ちよく酔って、赤ら顔でごきげんな祖父でした。

カレーライスとコーヒーも好きだったおじいちゃん。
天国では、なにを飲んでいるのかな。

ももあいり



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ライター / ももあいり

青森県生まれ。 お酒が強そう、とよく言われますが…カクテルとワインひと口で満足 お酒がある雰囲気とワインの香りが好き 焼き鳥・もずく酢・塩辛・カルパッチョetc…おつまみ大好き お酒を知ること=歴史を学ぶこと ひとつのお酒から広がる世界観を楽しんでます♡ お酒と料理の組み合わせも楽しい♡ 飲めなくてもお酒は楽しめることを伝えたいです☆ 教育系出版社にて編集職 →子ども支援の仕事をしつつ、ライター&web編集 Kindleより『ストレス向き合う40代のセルフケア』発刊

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