スモーキーなウイスキーの決定版!「オクトモア」と「フェノール値」
こんにちは。ともぞうです。
前回の投稿よりすこし時間が空いてしまいました。
緊急事態宣言で、バーにも行けず、自宅のストックを消費する日々が続いています。
ただ、新規にボトラーズのボトルを買ったりしているので、結果として本数は増えていて、
奥さんからの冷たい視線を感じています (^^;
自宅では、ウイスキーはもちろん、
ジン、ウオッカ、ブランデー、発泡日本酒、ワイン、シャンパン
とジャンルは広くの呑んでます。アルコールが弱くなった気がします。
すぐ居眠りしてしまいます…。
家飲みだと緊張感が無いからでしょうかね?
前回、ティスティングノートと私の呑んだ感想の表現で例に挙げさせていただいたのは、
お気づきの方もおられたかと思いますが、スモーキーなウイスキーの決定版と言われている
ブルックラディ蒸溜所の「オクトモア 11.3 アイラ・バーレイ」です。
オクトモアは、ブルックラディ蒸溜所で年に1回リリースされるアイラです。
BRUICHLADDICH / PORT CHARLOTTE / OCTOMORE(レミーコアントロージャパンWEBサイト)
最初の2桁がリリース年数、小数点以下が種類というかコンセプトというか定義されています(憶測部分もありますので、間違っていたらすみません)。
小数点 1 はスコットランド産の大麦を使用 ファーストフィルのアメリカンオーク樽(アメリカンウイスキーの熟成で使用した樽)
小数点 3 はアイラ島産の大麦を使用 ファーストフィルのアメリカンオーク樽(アメリカンウイスキーの熟成で使用した樽)
あと、国内正規品の取り扱いは無いみたいですが
小数点 2 アメリカンウイスキー樽で熟成された原酒とワイン樽で熟成された原酒をブレンド
小数点 4 ファーストフィル未利用のオーク樽(バージンオーク樽)で熟成
上記は5年熟成なのですが、があります。
また、10年熟成の オクトモア10年も毎年リリースされます。
今期分ですと、
オクトモア 11.1 スコティッシュ・バーレイ
アルコール度数 59.4% フェノール値139.6ppm
オクトモア 11.3 アイラ・バーレイ
アルコール度数 61.7% フェノール値194ppm
オクトモア 10年(11シリーズ)
アルコール度数 54.3% フェノール値208ppm
になります。
アルコール度数が、ウイスキーですと大体43%なのでかなりきついと思われる方が多いと思います。
普段ウイス―キーの表記では見かけない「フェノール値(ppm)」。
この値を前面に出しているのは、
ブルイックラディ蒸留所の「ポートシャロット」と「オクトモア」くらいかなと思います。
他の蒸留所でも公表はしていますが、ボトル自体にフェノール値を記載してるのは、
私は、オクトモアしか知らないです。
普通に「スモーキー」「薬臭い」といわれるウイスキーの大体のフェノール値ですが
ラフロイグ10年 45ppm位
ボウモア 12年 25ppm位
アードベック 10年 55ppm位
キルホーマン マキヤーベイ 50ppm位
になります。
オクトモア11.3は大体4倍以上になりますので、アイラの中でも飛び抜けていることになります。
私の所有しているボトルの中で一番高いフェノール値は、
オクトモア08.3 アイラ・バーレイ
アルコール度数 61.2% フェノール値309.1ppm
です。
アイラの女王とよばれるボウモア12年の12倍以上です!
で、フェノール値って具体的になんだろう?ということですが、
アイラの特徴である「スモーキー」「薬臭さ」は、「ピート臭」です。
「ピート」とは、日本語ですと「泥炭」です。
泥状の炭でシダ類やコケ類、草花などの植物が枯れて堆積し、
これが長い年月をかけて炭化したものです。
スコットランドで多く存在しており、発芽した大麦(モルト)を乾燥させる為に使われます。
これは、発芽の成長を止めるためです。
昔は広く使われていたようですが、現在は意図的にピート臭をつけるために使われるみたいです。
ちなみに、「マッサン」こと 故 竹鶴政孝氏が蒸留所を余市に作ることを決めた
要因の一つにピートが採れることであったと言われています。
ピートで乾燥させた際にモルトについたフェノール系化合物の濃度を数値化したのが「フェノール値(ppm)」
になります。
私の感覚では、この値が倍だからといって、倍臭いということは無いと思います。
しかし初めて、ラフロイグの10年を飲んだ時、
こんな正露丸みたいな臭いのするの良く飲むなあ~と思ってました。
当時呑むのは、マッカランやサントリー響が多かったので、真逆でした。
こんなに好んで呑むようになるとは(^^;
オクトモアは、スティッシュバーレーは05から アイラ・バーレイは06からストックしています。
08.3はある意味最強ですが、現行販売されている11.3は前回書いたように、
「美味しい!シリーズ中、久しぶりの強いピートが効いた感じよくて、
甘い香りとフルーツの甘味、アルコール感を感じる。
余韻もすっと引いていく感じで、バーで最初に呑みたいウイスキー」
です。
様々なピーティッドタイプのウイスキーが販売されています。
国内メーカーも力を入れて出していますので色々呑んで、お気に入りを見つけてください。
それではまた。
余談ですが、梅沢富美男 さんのCM、こだわり酒場のレモンサワー『はなうた』篇は、
サミー・デイビス・ジュニアさんがされていた昔のサントリーホワイトのCM
へのオマージュだと思うのですが、どうなんでしょうね。
追記)
オクトモアの「小数点2」は、「アメリカンウイスキー樽で熟成された原酒とワイン樽で熟成された原酒をブレンド」
と書きましたが、今回初めて国内正規販売された「12.2」は
「ファーストフィル・アメリカンオーク樽熟成原酒(50%)とセカンドフィル・アメリカンオーク樽熟成原酒(50%)をヴァッティングし2019年よりファーストフィル・ソーテルヌワイン樽で後熟。」
でした。
善波さんのネットショップで購入し、早速ただきましたが、今まで呑んだオクトモアの中で一番、甘さの風味が強く逆にアイラとしてのパンチはちょっと弱く感じました。呑み終わったテイスティンググラスから、とても良い香りが漂ってました。
ライター/ともぞう
1966年 東京都生まれ、埼玉県育ち。 生まれる前から親が飲食店を経営しており(現在廃業)、ウイスキーは身近にあり。 バブル期に社会人になったため、バーボンから「マスクメロンブランデー」まで経験。 20世紀末よりウイスキーを本格的に飲み始め、マッサンブームを機にウイスキー沼に足を突っ込む。 今年転職し、商売を一から勉強中。 60才には、気軽にウイスキーを楽しめる飲食店を開くことを目指して、ウイスキーを集めるとともに修行中。 ウイスキーストックは、現在約650本。 なんとなく一杯飲みたくなるような記事を書いてきたいと思います。
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