善波社長ブログ「9月25日の朝日新聞特集記事について」

本日、朝日新聞の「けいざい+ 酒が出せない⑤」という特集記事の中に、私へのインタビューと、酒販業界誌への寄稿文章の一部が掲載されました。

朝日新聞に引用されたのは、本年4月28日発行の業界誌のあとがきです。
感染抑制の為に、なんら効果的な手を打てず、医療体制も一年間ほぼ放置(に見えた)の中、私共の生業を支えている飲食店での酒類提供が、感染者の増加の度に細かく規制されるのに対し、東京オリンピックだけは治外法権的な扱いであることへの違和感から書いたものです。
ちょっと長くなりますが、以下に引用します。(掲載されたのは、一部変更された赤文字のみ)

3月最終週、緊急事態宣言の解除と共にわずかに上向いた首都圏の業務用市場の売上は、4月に入っての「まん延防止等重点措置」で頭打ちになり、今また3度目の緊急事態宣言の発令という雲行きです。酒類の提供は19時までという要請が、19時前の飲食店に駆け込み客の密集状態を作り出しているのを見るにつけ、行政のコロナ対策というのは、悉く飲食業界、ひいては酒類業務用業界の実態に即していないことを痛感します。こうした市井の行動と生活への考慮を欠いた政策が効果を現さないことに業を煮やしてか、要請に従わない店舗への罰則強化の動きもあるようです。第4波と言われる今回の感染拡大は、こうしたピント外れの失政が一年続いた為としか思えないのですが、飲食店での飲酒という、叩きやすいスケープゴートは、本質から目を逸らし、何らかの手は打っている感を出す為に、今や無能な為政者にとって不可欠なのかもしれません。
先日も都知事が会見で、変異株の感染拡大と危険性を語り、「東京に来ないで」などと非現実的な事を口走っていましたが、そもそも変異ウイルスは国内で変異したわけではないでしょう。確認されているものは全てイギリス、ブラジル、南アフリカ等海外で変異したものです。いずれも昨年12月以降に世界各地で確認された主要な変異株が、この4月には島国である日本に全種類上陸し、感染者を広げているという事実は、明らかに水際対策の失敗を示しています。生きてゆくためやむをえず、実態にそぐわぬ要請には従えないという飲食店に目くじらを立てるなら、なぜ行政は一年間も、入国者に一定期間の隔離を義務付けず、当日中の帰宅を許していたのでしょうか。現在、変異株の感染拡大が認められる地域は、大都市であると同時に、主要な国際空港周辺の地域であるという指摘は、私の知る限り、未だになされていません。政治家、評論家、マスコミ全てが、変異株は国外から流入しているという当たり前のことを棚に上げて、国内向けの要請だけが呼びかけられているのは、なぜなのでしょう。
中略
私は、東京オリンピック開催自体に絶対反対ではありませんし、各国を代表するアスリートたちの熱い戦いが、私達に感動と活力を与えてくれることを疑いません。開催の大義やメリットは数えあげればいくらでもあり、一方で同じだけ反対意見もあるのは何事においても同断で、問題はどちらが正しいか、多数派か、などという事ではないのです。ある競技の日本選手団の監督を務める知人は、昨年から一貫して、オリンピック開催は現実的に不可能だと言い続けています。こうした現場の意見や世論にもかかわらず、オリンピックの理念・理想・大義・利権・責任問題・自己顕示欲、何に突き動かされているにせよ、現在の状況下での開催を既定路線として進める人たちは、その為であれば、国の経済と国民の生活が犠牲になることも辞さないのでしょうか。ならば「国民の生命と自由と財産を守る」という、我が国の憲法に謳われた国家最大の使命と、自らの信条との軽重をどう量っているのか、はっきりと国民に語り、信を問うべきではないでしょうか。なし崩し的にオリンピック開催に漕ぎ着ける為の、かつ責任回避のアリバイ作りのような、宣言と要請の連発に付き合わされ、私達の業界の傷が深まってゆく現状には、憤りを感じざるを得ません。
引用以上

本来であれば、私達酒販業者は、国から免許を頂いて商売をしているのですから、お上の方針には率先して協力すべき立場なのでしょう。
そのあたりも考慮していただいたのか、私の文章も、掲載の記事では多少穏便な表現になっていました。
アルコール飲料というのは、人を酩酊させ、時に性格も変え、習慣性があり、そして重要な担税物資であります。
販売には他の食品とは異なった配慮が必要ゆえの酒販免許ですし、私達もそれなりの矜持を持って家業を継承しているつもりです。
業界の先輩の一人は、我が国の酒税による税収は、これまで我が国の防衛費とほぼ同じであったと、そしてそのことが自分に使命感を与えていると、話してくれたことがありました。
こうした、私達の業界を守ってきた先輩方の思いがあるからこそ、記事にあった全国小売酒販組合中央会・水口会長の「(私達が)そんなに悪い商売をしているというのか」という慨嘆も我々にとっては身に沁みるのです。
記者の方が気を遣って外して下さった、為政者への「無能な」という表現は、当時の私の苛立ちゆえの勇み足だったかもしれませんね。
けれど、この文章を書いてから半年が過ぎ、無事(?)オリンピック、パラリンピックも終わったこれまでの経緯を振り返ると、やはり日本酒や焼酎の蔵元を含めた酒類業者の使命感と矜持に比して、この国の政策には、保身の為の責任のたらい回しといった、政治家の都合ばかりが優先されている感がぬぐえないのも正直なところです。
お盆の帰省をはじめ、県境をまたいだ不要不急の移動の自粛を呼びかけながら、オリンピックという国境をまたいだ大運動会は「安心・安全」に開催されている一点だけ見ても、この国のコロナ対策が、一部の人間の都合によって矛盾だらけのものになってしまっていることは明らかです。
コロナ禍は、この先20年で起きる変化を、1年余りの間に急激に進行させたという見方があります。物事が急激に変わってゆく時は、本質がその動きに現れやすい時でもあるのでしょう。
観察の結論の一つが、政府や都知事の無責任体質であるのは間違いないのですが、そんな不毛な発見からもう一歩進んでみれば、私達一人ひとりが、国や体制に依存することなく、自分の足で歩き出さなくてはいけない時代が来たという事なのかとも思いました。

そんな本日のお奨めは、「朝日」繫がりで新潟の日本酒「朝日山」。
県外では「久保田」の蔵と言った方が判りやすいかもしれませんが、僕はこちらの味が好きですね。
そして、我が国では奄美諸島でのみ生産が許されている黒糖焼酎の「朝日」。
奄美諸島で最も東に位置する喜界島で、自社農園での有機農法によるサトウキビ栽培を行っている、こだわりの焼酎です。
あと何かあったかな‥‥。あ、アサヒビールだ!マルエフ、ヒットしてるようで良かったですね。
ジョッキ缶に続いて一時製造中止になるほどの品薄状態だそうで。復刻ビールや特殊容器の話題も良いですが、スーパードライ発売以降30年、ビールの味が評価されたヒット商品が無いのは心配ですね・・・いや、人の心配してる場合じゃない。皆様、是非ショッピングサイトにもお立ち寄りください!


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代表/善波栄治

1953年に、初代・善波秀吉が麻布十番にて創業。以来、本社を東麻布に移し、東京23区を中心に飲食店様への配送やお酒の小売りを行っている。

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