アメリカの日本酒小売事情・酒屋でのお値段は?品揃えは?

近年は日本酒の輸出が右肩上がりで伸びているとの統計が発表されています。国税庁の発表によると12年連続で過去最高を更新しています。日本酒業界には明るいニュースですね。 私が住むアメリカ東海岸でも寿司バーが至るところにあり、和食人気とともに日本酒の需要が増えていることを実感します。和食レストランの次に日本酒が目指すべきところの一つはアメリカでの個人の消費でしょう。この記事ではアメリカの小売店で日本酒がどのように売られているのか現地レポートします。特に個人が普段使いするような、街なかの酒屋での日本酒の取扱い状況をお伝えします。

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ライター/浜田庸

山口県出身。アメリカのお酒事情を現地から発信していきます。
アメリカで二人の小学生の子育てと仕事に奮闘中。週末は料理とお酒を楽しんでます。
おもてなし料理とお酒の最高の組み合わせを求め日々精進中。
twitter/

ー 目次 ー

  1. アメリカの酒小売店
  2. 日本酒の小売価格 in USA!
  3. まとめ

アメリカの酒小売店

ざっくりいうと、多少の品揃えの差はあるものの、どこのお店でも日本酒を取り扱っており、値段は日本で購入する場合の3倍ぐらいといった感じです。

街なかにあるアメリカの酒屋は、だいたい日本のコンビニぐらいの大きさです。気になる日本酒ですが、どこの酒屋にも置いてあります。

まずは売り場面積から。アメリカの酒屋の商品の主役はやはりワイン。売り場面積の5割ぐらいがワインですね。続いてビールが3割ぐらいを占めています。アメリカのビールのラベルは凝ったデザインのものが多いので見ていて飽きません。このお話はまた後日。ウイスキーやブランデーが2割ぐらい。そして残りの一割がその他のお酒といった感じです。日本酒はここに該当します。ちなみに冷蔵スペースはビールとワインにあてがわれているので日本酒は全部常温で売られています。

こちらが実際の売り場の写真。ずらっと並ぶワイン売り場の一角に日本酒が置かれています。他のアジアのお酒もこの一角で一緒に売られています。店内の一番奥まったところですが、獺祭、久保田、紀土、八海山、赤武、酔鯨、醸し人九平次などなかなかの品揃え。獺祭が目立つところに置いてあります。山口出身の私もちょっと誇らしい気持ちになります。

こちらはまた別のお店。日本酒売り場は入り口付近の目立つところ。獺祭、剣、雪の茅舎、鬼ころし、極上吉乃川、明石鯛などなど。嬉しいサプライズは山縣本店の日本酒・毛利公!こちらも私の地元・山口のお酒です。

日本酒の小売価格 in USA!

続いて気になるお値段。以下は全部四合瓶・720mlの価格です。為替を1ドル130円として計算しています。

アメリカでも知名度がある旭酒造の獺祭。こちらに置かれていたのは「獺祭磨き二割三分」。300ml瓶と四合瓶が並んで陳列されていました。四合瓶は約105ドル(13,700円)です。日本の小売価格は5,000円なので3倍弱といったところですね。店員さんにオススメの日本酒を聞いたところ、この獺祭を一番に勧めてくれました。実際にこのお店で一番よく出る日本酒は獺祭だそうです。旭酒造が今ニューヨークに建設している獺祭の蔵が本格稼働するとまた選択肢が増えるので楽しみです。

獺祭のお隣りに陳列されていたのは山縣本店の毛利公。お店の人が山口繋がりを意識してくれたのでしょうか?ボトルに描かれている一文字三つ星(長門三つ星)の毛利家の家紋が目を引きますね。お値段はほぼ50ドル(6,500円)。毛利公の大吟醸は日本で1,650円なので、アメリカでの価格は日本の4倍弱です。

つづいての紹介は赤兜の鎧武者が特徴の赤武酒造の赤武。このラベルも人を惹きつけるものがありますね。こちらで売られていた赤武は純米酒37ドル(4,800円)と純米吟醸50ドル(6,500円)の2つ。ラベルがいかにも日本!って感じなのでお店としても売りやすいかもしれませんね。日本の小売価格だとそれぞれ1,300円、1,800円なので3倍ちょっとです。

箱入りで売られていたのは末廣酒造の大吟醸・剣90ドル(11,700円)、齋彌酒造店の雪の茅舎純米大吟醸84ドル(10,920円)、大村屋酒造場若竹鬼ころし純米大吟醸49ドル(6,370円)。それぞれ日本での小売価格は剣・3,500円、雪の茅舎・3,200円、鬼ころし・1,500円ですのでどれも3倍強といったところです。

他のお酒もだいたい日本での小売価格の3倍強といったところでした。

まとめ

アメリカの酒屋では日本の小売価格の約3倍の価格で日本酒が売られています。その値段でも商品として通用しているのは日本酒にそれだけの価値があることの証拠です。まだまだメジャーな商品という位置づけではありませんが、それだけに成長の伸びしろは十分にあると思います。これからも輸出は右肩上がりで続き、アメリカでさらに日本酒が身近になるといいですね。


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ライター/浜田庸

山口県出身。アメリカのお酒事情を現地から発信していきます。
アメリカで二人の小学生の子育てと仕事に奮闘中。週末は料理とお酒を楽しんでます。
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コメント

  1. 関野恵市

    アメリカの物価が高止まりしている中ではあまり高価だと皆さん感じないのでしょうね。
    日本では1,000円程で食べられるラーメンがアメリカでは3,000円位するとの話も聞きますので約3倍は妥当な金額だなーと思いました。

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