酒で酔わずに、酒を楽しむ!地域の祭り編

“酒を食べる!!~酒が飲めない人への酒屋通いのすゝめ~”シリーズのその4

以前、私は旅行に行くと、飲食店を見つけたり、ローカルフードや調味料を見つけるために、酒屋に立ち寄る、と話したと思います。

でも、実は一つ書いていない、定番の質問があります。それが、「地域のお祭り」です。

大きな神社やお寺の近く、お祭りなさかんな地域には、酒屋はもちろん、場合によっては酒蔵があります。
なぜ、そこにあるかというと、「地域行事や冠婚葬祭、祭りでお酒を使うから」です。
世界中を見ても、お酒とイベントがつながっていない世界は、アルコールを禁忌としているところ以外ではなかなか見つけられないのではないでしょうか。だから、酒屋さんに聞くんです。
「このあたりの地域で何か有名なお祭りや神事はありますか」
「このあたりに有名な神社や大きい神社はありますか。」
と。

せっかく旅行に来たんだから、お酒の1本でも買うのに酒屋や酒蔵に行ってみたい…と思ったときに、ちょっと聞いてみてもいいかな、と思う質問です。
ただ、例外もあって、静岡県に代表される、古くからの宿場町があった関係で多くの酒蔵ができたところなどは質問しにくいかもしれません。

例えば、私の主人の実家のある、富山県射水市の新湊地区。
そこの酒屋さんで聞けば、
「そやねぇ。やっぱし、獅子舞と曳山やちゃねぇ。」
(そうだねぇ。やっぱり、獅子舞とひきやまだよね。)
と祭りに対して返ってくるし、神社については、
「大きい神社ちゃ、放生津さんのことけ?」
(大きい神社って、放生津神社のことであってる?)
返ってくることでしょう。

(※富山県射水市新湊地区の曳山、夜のちょうちん山の様子)
主人が曳山と獅子舞の、両方参加するので痛感しているのですが、

このお祭りの前後、ずーーーーっと飲み続けます。

漁港が近くて海の男が多い地区だからお酒をガツガツ飲む人が多い、っていうのもあるんですが、ものすごい量を飲み続けます。

まず、お祭り前、練習しますよね。町内毎に行うお祭りなので、上下色々な方が集まられます。
練習したら、その後、お酒飲みますよね。一応、ほろ酔い程度にね。それが真面目な町内だと1ヶ月くらい続くわけです。つまり、飲み会付きの練習が1ヶ月絶え間なく続くわけです。
そしてお祭り当日。祭りをする人たちじゃなくて、観客の人が飲みますよね、そらもうたらふく。そして、奉納金を気前よく出すわけです。
さらに、お祭り数日後。祭りに参加した地元の人たちは、倒れるまで飲んでお疲れさま会をします。主人が酒豪に化ける瞬間です。主人が俺は弱い、と言ってるのに瓶換算1升半くらいチャンポンしてくるので、そりゃあ、もう…。町内毎にビールサーバーを借りてひたすら飲みます。

だから、祭事は酒屋さんのかき入れ時で、知ってる酒屋さんはお祭りや神社を知っていることもあるはずなんです。違ったら違ったで、軽く情報を聞きたかっただけと弁明しておきましょう。

でも、もしYESで具体的に返ってきたら、こんな質問ができるんじゃないでしょうか。
「そのとき、地元が飲んでおられるお酒ってどのお酒ですか。」
「その大きな神社でお神酒として採用されているお酒はどれですか。」
などなど。本当に地元で愛されているお酒は何なのか、を知ることができると思います。
時々、期待外れな答えや大手のものがあがってシュン…と思うことはありますが。

こんな質問をする機会って本当にあるのかな、と思われる方もおられると思います。
でも、地域の酒屋さんって、やっぱり人同士の距離がとても近いお店が多い印象をもっています。もちろん、お店に入って何も質問せずに出るものアリですが、引き出しのひとつとして持っておいて損ではないのではないかな、と思っています。

神社が近ければ、「近所の方がお神酒として愛用されているお酒や、祈祷で使用されているお酒はどの銘柄ですか。」と聞いてもいいでしょう。

※ 大きい神社でよくある献酒たち

地元に愛されるお酒を知る。それって結構重要で、料理でも食事でも数段美味しく日本酒が化けさせてくれるための重要なヒントになることだってあります。

さて、酒を食べる!シリーズの、酒屋通いのすゝめは一旦ここで終わり。
次からは、料理酒や本みりんについて深堀りしていきたいと思います。


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ライター/ilovemirin片口

お酒はほとんど飲めないのに、味と香りは大好き。みりんを集めて活用しまくってSNSを中心に活動。現在、全国の90%の蔵元の本みりんを集めた。みりん呑み会を開催するほか、料理講師やレシピ開発でも実績を積んでいる。 Sake Diploma 2020取得、工業日英通訳として働いていたこともある。

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